TL;DR
- 仙腸関節障害を患った
- 腰椎椎間板ヘルニアと似た症状で,腰や下肢に痛みと痺れが生じた
- 痛み止めの薬なしに日常生活を送ることができなくなった
- リハビリや自主トレーニングを経て,薬に頼らずとも生活できる程度には復調してきた
- リハビリおよび再発防止のために始めた運動が習慣化してきた
腰痛と私
私は 2011 年に腰椎椎間板ヘルニアを患った. 朝起きて顔を洗うために蛇口の前で腰をかがめた瞬間,かつて感じたことのない痛みが腰を襲い,その激痛に耐えられず床に崩れ落ちた.
MRI 検査にてヘルニアが発覚した. それからリハビリの日々が始まり (主に筋トレと牽引),数ヶ月の後に腰痛に悩まされることはなくなった.
最後の通院で主治医から次のように聞かされた. 「ヘルニアが完治することはない.現在は筋肉をコルセットとして腰を支えられるようになったこと,そして身体が痛みに慣れてきたことにより当初のような痛みを感じていないが,これはあくまでヘルニアを誤魔化しているに過ぎない.今後身体が衰えれば再発する可能性はある」と.
その後は冬場に寒くなると少し痛みを感じる程度だったが,今年 2024 年に入ってすぐ激痛に襲われることになった.
1 月: 椅子から立ち上がれなくなる
私の仕事はデスクワークである. 長時間同じ姿勢で座っていることが多い. その日もいつも通り職場で 2 時間ほど座り続けており,お手洗いのために立ち上がろうとした瞬間に腰に激痛が走った. あまりの痛みに動けず,中腰の姿勢のまま机に手をついた.呼吸が荒くなり,額には脂汗が浮かんだ. しばらくするとなんとか動けるようになり,壁に手をつきながらお手洗いに向かった.
毎年寒さに伴い軽い腰痛を感じてはいたが,さすがに動けなくなることはなかった. 今回の激痛に少々の不安を感じはしたが,しばらく様子を見ようと思い医者にかかることなく過ごした.
痛みの傾向として,長時間同じ姿勢で固まった後にその姿勢を解除して動こうとすると痛みが出るようだった. 動き出してからは特に痛みを感じることはなかった.
2 月, 3 月になっても痛みが治まることはなく,むしろ腰の他にも痛みが生じるようになった. 腰から下の尻,太もも,膝裏にまで痛みと痺れが広がり,さすがに自然治癒はしなさそうに思い整形外科へ行くことにした.
4 月: 整形外科を受診,リハビリ開始
整形外科にて私の症状と過去のヘルニア経験を伝えたところ,ヘルニア再発の疑いでリハビリを開始することになった. 腰の異常は日々の歪みの積み重ねで生じるとのことで,立つ姿勢,座る姿勢,歩き方,走り方など,人体の動作を見直すこととなった. 特に私の場合は反り腰と足の内反が目立っており,これらを改善することで腰への負担が軽減すると見込まれた. また,身体の柔軟性が失われていることが原因で無理な姿勢をしている疑いもあり,問題解決のためにストレッチや筋トレのリハビリも開始した.
かつてのヘルニアは手術することなく対処できたため,今回もできれば手術することなくリハビリだけで解決できるとよい. さすがに身体にメスを入れることは最終手段としたい.
5 月: 痛み止めの薬を服用し始める
痛みが大きくなる一方でありリハビリの運動はおろか日常生活を送ることさえ困難になってきたため痛み止めの薬を服用することになった. 処方された薬は,ボルタレン,タリージェ,ムコスタだった. 薬の効果は覿面であり,薬を飲んでいる限りは痛みを感じることはなくなった.
7 月: 自主トレーニング開始
自主トレーニングとしてウォーキングを始めた. リハビリと薬のおかげか少しずつ体を動かせるようになってきたため,無理のない範囲で運動することにした. いかんせん長年運動習慣を持たずに過ごしてきた肉体である. 錆落としを兼ねて,低強度の運動で身体を動かす習慣を身に付けることを目標とした.
9 月: リハビリ終了
医師の診断を受けてから所定の日数 (150 日) が経過したためリハビリが終了した. 相変わらず痛み止めなしで生活することが困難な状態だったが,今後は自主トレーニングだけで対応していくことになる.
10 月: ヘルニアではなく仙腸関節障害
症状が快方に向かわず,痛みに苛まれて精神的に参ってきた.
主治医に相談したところ,手術という選択肢を排除する必要はないのではとのことだった. 精神的につらい状況で頭を悩ませ続けるよりは,身体にダメージがあったとしても手術で問題の原因を取り除くことは悪くない. 一週間考えて,手術を受ける意思が固まった.
とはいえ本当に手術で解決できるかどうかは改めて検査した上で確認する必要がある. よって,まずは専門機関で MRI 検査を受けることになった. 主治医からの紹介を受けて遠方に出向き検査したところ,なんと私が抱える問題はヘルニアではなかった. 古傷としてヘルニアの名残はあるが神経を圧迫して痛みを生じさせるレベルではないとのことで,代わりに告げられたのが仙腸関節障害だった. 仙腸関節周辺が緩んでおり,これが原因で腰や下肢に傷みや痺れが生じている可能性があるらしい.
検査当日に仙腸関節へ麻酔注射が打たれた. もしも麻酔で痛みが和らぐなら仙腸関節障害で間違いないだろうとのことだった. その後一週間様子を見たところ,確かに痛みは小さくなっていることが確認できた (痛み止めなしで生活できる程度の痛みに抑えられた). かくして,私が年初から悩まされてきた問題は腰椎椎間板ヘルニアの再発ではなく仙腸関節障害と診断された.
仙腸関節障害は手術で治療することができず,リハビリで腰回りや股関節の柔軟性を高めていくことで対応していくことになるらしい. とはいえリハビリをはじめとした運動はすでに半年間継続しているわけで,何かを新しく始めることはない. 運動をしつつ,痛みが我慢できない場合は薬を飲むという生活が今後も続くことになる.
銀の弾丸はなかった.
12 月: 我慢できる程度の痛みと付き合う日常
10 月に打った麻酔が効いているのか,その後 2 ヶ月間は痛み止めを飲まずに過ごせた. しかし 12 月 20 日頃からは寒さのためか痛みが強くなり,痛みを我慢するか薬を飲むかのせめぎ合いが始まった.
12 月 31 日現在,なんとか薬を飲まずに持ちこたえている. 運動すること,同じ姿勢で固まらないこと,これらを意識して実践していれば今のところ薬に頼らずに済む程度の痛みに収まっている.
2025 年も腰痛との戦いは続きそうである.