はじめに
お金の運用方法は色々あると思うが,私はこれまで稼いだお金を貯金に回すのみだった.また,その運用方法に疑問を持たずに過ごしてきた.しかし昨今の急激なインフレの影響によって貯金の価値が相対的に低下していることや,来年 (2024 年) から新 NISA が始まることもあり,このタイミングで自分のお金の運用を見直すことにした.
お金の運用方法としてどのような選択肢があるかを知り,そしてどの選択肢が自分に適しているかを考えるため,数冊の本を読んで先人から学ぶことにした.
なぜ自分は貯金するのみだったのか
貯金以外の選択肢を持たなかった理由は自らの育ちと不勉強さにある.生まれ育った家庭では (私が知る限りでは) 投資が行われておらず,貯金をすることが堅実で正しい生き方と言われていた.家の教えを疑わず預金残高を少しずつ増やしてきたことは決して悪いことではなかったが,ゼロに等しい金利と昨今のインフレの合わせ技による貯金の価値の低下を考えると必ずしも肯定できることでもなかった.
読んだ本
お金や投資に関する事実や考え方など,今の自分にない視点を手に入れるために以下の 6 冊を読んだ.
- 『サイコロジー・オブ・マネー』
- 『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
- 『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』
- 『敗者のゲーム 原著第8版』
- 『ウォール街のランダム・ウォーカー 原著第12版』
- 『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』
読書メモ
- 足るを知ることが重要
- 世間的には十分に裕福であったにもかかわらず,際限なく儲けようとして自滅した人物は少なくない
- 自分に必要な収入や資産を把握することが肝要
- 例えば時給制で毎日 8 時間働いて稼いでいる金額の半額で十分に生きていけるなら,労働時間を半分にして浮いた 4 時間を余暇として過ごす選択肢もある
- 自分の寿命がわかっていれば楽なのだが……
- お金は自由を手に入れるための手段の一つ
- お金の余裕は心の余裕
- 頭で理解していることでも実際に自分が当事者になると冷静に対処できないことがある
- 資産運用において,将来的に資産が増加するとしても,その過程において資産が減少することは往々にしてある
- 理論的には一時的な資産減少は無視できるが,果たして自分の精神は資産減少に耐えられるか?
- 子どもを育てていたりローンを返済している中で突然資産が減少すると平静を保てなくなるケースがある
- こればかりは実際に投資した上で不況を迎えないことにはわからないと思う
- お金を使う時期を見誤らないこと
- 遺産の話は説得力があった
- 例えば 90 歳の親が亡くなり 60 歳の子どもが遺産でまとまった金額を手に入れたとして,子どもの立場からすると「経済的に余裕のある現在ではなく,もっと若く経済的に苦しい時期にお金が欲しかった」と考えるケースが少なくない
- 60 歳で 1,000 万円をもらうよりも 20 歳の頃に 100 万円をもらう方が人生においてよりよい経験をする助けになるであろうことは想像に難くない
- お金を使うための適切な時期 (旬) を逃さないように生きることを意識できるとよい
- 前提として世界経済が今後も少しずつ発展していくと仮定すると,全世界インデックス投資を行い長期間保有することが安定行動と言える
- 投資の原則は「長期」「分散」「低コスト」
今後の方針
書籍を読み,日本の各種制度を調べ,ひとまず以下の方針を立てた.最短でも新 NISA を用いた投資が満額となる 2028 年まではこの方針で進めたい (が,実際にはライフイベント等の影響を受けて色々と変わると思われる).
- 2023 年内は投資をしない
- 投資は早めに開始すればするほどよいことは理解しているが,現行の NISA と新 NISA が混ざることで自分の管理負荷が増えてしまうことを避けたいため
- 2024 年に新 NISA を利用して投資を始める
- 投資対象は全世界インデックスの中から選択する
- 自分がリスクをとれる金額を超えない範囲で毎年積み立てる
- 新 NISA の上限 1,800 万円を使い切るまでは他の制度では投資をしない
- 投資した後はほったらかす
これまでの人生で愚直に貯金してきたおかげで投資に回すお金はある.自分が納得してリスクをとれる範囲で地道にコツコツ投資していきたい.