読んだ本
『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』
感想と思い出話
過去にも何度か物事の考え方やメンタルトレーニングに関する書籍を読んだことはあり,その度に「言うは易く行うは難し」と思ってきた.本書にも同様の感想を抱いたのだが,一つだけ私にとって有効な方法論が記載されていた.また,その理屈は私が学生時代に心理学の講義で学んだ内容につながるものだった.
その方法論は「自分がストレスを感じた際に『私は今ストレスを感じている』と客観的に自身の状態を捉えること」だった.私の場合,確かに自分自身の感情を客観視することでストレスを感じながらも冷静さを保つことができるようになった.
この客観視の話を読んで学生時代の心理学の講義を思い出した. I 教授曰く「とある有名な漫画に『俺は今猛烈に感動している』という台詞があるが,その台詞を吐いている時点で当人は感動していない」とのことだった.「感動している」と口にできる時点で当人は自分自身の状態を客観的に捉えられており,今まさに感動している状態ではなくなっているからという理屈だった.「感動している自分」と「感動している自分を冷静に客観視している自分」が存在しているとのことで,なるほど確かにと当時は思ったものだった.
というわけで,今後はストレスを感じた際に「ストレスを感じている自分」から「ストレスを感じている自分を冷静に客観視する自分」になり感情を制御していきたいと思う.
反応しない対象を選べるようになりたい
本書の帯に「ブッダは実は、超クール」と書かれている通り, (本書の内容を鵜呑みにすると) ブッダはクールすぎてネガティブはもちろんポジティブにも気持ちが動かなかったようだった.デフォルトで気持ちが動かない状態になっていたのか,それとも意識的に気持ちを落ち着けていたのかはわからない.ともあれ,何があっても「あ,そう」で済ませられるほどに達観していたようだった.
ネガティブに反応しないばかりかポジティブにも反応しないとなると流石に人生の喜びが減ると思うため,私はポジティブには反応してネガティブにのみ反応しないようになりたいと思う.